rei.(光) /レイヒカリ 2nd Digital Single “Wake Up” Release!!【2021.06.23(web)】
本年 4 月にデビュー EP「Breathe」をリリース。
いきなり FM チャートを賑わしているシンガーソングライター
ネオ・ソウルのコード進行をベースに、ヒップホップスタイルで展開
ごく僅かな光が輝きを強める一方で、闇はより大きく深くなりつつある
前作のメローでクールなオルタナティブロック・アプローチから一転、本作はネオ・ソウルのコード進行をベースに、ヒップホップ スタイルで展開されるラップとなった。REMIX 版では華麗な DJ スキルも加わり、西洋音楽の文脈を知る人にはもちろん、そうでな い人にも強烈に刺さる楽曲に仕上がっている。ray.( 光 ) の創作の幅の広さ、自由度の高さがわかる。 幾重にも現れるギターとピアノによるフレーズは、ある時は心地良いハーモニーとして、またある時は不協和音を伴いながら複雑な テクスチュアを形成する。この交錯した独特な浮遊感によって醸成される音楽空間は、個人に内包された希望や絶望といった感情の 両極、あるいはその中間に位置する無限のグラデーションに彩られ、その全てが混然となって自分を自分たらしめていることへの暗 喩である。苦悩や葛藤の渦巻く無機質な日々は、ネオ・ソウルと呼ばれる80年代後半から90年代にアメリカを中心に流行したジ ャンルを思わせるコード進行を形成し、淡々と刻まれるドラムスによって非情に押し流されていく。「トンネルの先の光が少しずつ 無くなっているのを感じる」と ray.( 光 ) は訴えるが、その言葉が届かないことを、哀愁漂うピアノのリフが静かに物語る。
ray.( 光 ) の語気は曲が進むにつれてどんどん強まり、感情がピークに達した最終盤、それまでに蓄積された思念が一気に払拭された かのように、すべてが静寂に飲み込まれる。そこにはアフリカの大自然を思わせる環境音がかすかに聴こえ、全てのものから解放さ れた世界が到来したことを期待させる。その刹那、影を落とすかのように物悲しげなピアノのリフが再び現れ、一人で叫ぶだけでは 何の解決にもならないことを示唆する。 差別、貧困、暴力等、社会の負の部分も社会を形成している要素である以上、この社会からこうした問題が全て消えてしまうことは 無い。社会に参加する全ての人々の意識が変わり、問題の全て消えた時、それはもはや全く違う枠組みの、今とは別の社会である。 この社会の光と闇は二極化し、ごく僅かな光が輝きを強める一方で、闇はより大きく深くなりつつある。そんな世の中が fades away
(消えてなくなる)する日を願いながら、ray.( 光 ) はニューヨークの雑踏の中に飲み込まれていく。覆い隠されてきた格差や差別が 顕在化しつつある現代に一石を投じる作品である。
カップリングの「Wake Up! feat. YUTO (UK Garage Remix)」を手掛けたのは DMC 世界チャンピオンのキャリアを持つ DJYUTO。 自在なスクラッチ・プレイと共にクラブ仕様で非常に気持ちの良いサウンドに仕上げている。
前作から今作へと続く ray.( 光 ) の音楽世界は、聴くものからひたるものへと昇華し、早くも第三弾への期待を高めていく。
Profile
幼少期をロンドンで、学生時代は日本で過ごした、新時代を生き抜くシンガーソングライター、ray.(光)[読み:レイ ヒカリ]。2021年4月14日ファーストデジタルシングル「Breathe-EP-」を配信リリース。ジャンル分け不可能な音楽に乗せ、画一化された現代社会に訴えかけるように力強くも繊細な感性で人々が他人に貼りがちなラベルの外にある「自由」を歌う。ノンバイナリージェンダーである自覚は若き日に苦悩をもたらし自由の国アメリカに単身渡米、名門音楽大学へ進学。そこで根強い差別、突きつけられた現実のなか自身のもう1つのアイデンティティである「音楽」で社会が抱える問題を訴えていくことができないかと強い思いを抱く。日本語と英語をどちらも深い感情のレベルまで昇華させ、J-POPでも洋楽でもなく新しい感覚の音楽を発信している
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